\初参加/バーニングマンに行ってきた#1 驚きと学び

バーニングマンに行ってきたアメリカ

今年の夏は時間のやりくりができそうだったので、これまでずっと友達に誘ってもらっていたアメリカで行われるバーニングマンに参加することにしました。始まるまで具体的なイベントのイメージが全く湧いておらず漠然と不安でしかなかったのですが、私が日本語で伝えるならば「大人による本気の文化祭」。少しでも興味を持っているのならばぜひ参加するべきな、尋常じゃなくエキサイティングな1週間でした。

バーニングマンとは

バーニングマン概要

毎年8月の最終月曜日から9月の第一月曜日にアメリカネバダ州にある草も生えないブラックロック砂漠に7万人もの参加者が集い、1週間にわたり開催されるカルチャームーブメント。1980年後半から始まったバーニングマンでは、10の原則のもと、氷以外何も売買ができない世界で生活を営み、自分を表現し、ギフティングしあうことで一つの共同体としてともに生き抜く1週間のイベント。

概念的で難しいと思うのですが、正しい概要・詳細は下記からご確認ください。

公式に近いwiki

バーニングマンの日本リージョナルサイト

バーニングマンは大人による泊まりがけの文化祭

参加してみて思ったのは、これはガチものの大人による文化祭だ!ということです。(もちろん全てそれを言い切れないのですが、あえていうなら、ですね)

砂漠で見つけたオーダーメイドしたハグをしてもらえるハグデリ。愛が溢れていました!

公式行事として定められているのは、中心に聳えるマンや、故人を悼むテンプルやアートを燃やすことなどがありますが、それ以外の時間は砂漠で寝泊まりしながら楽しむ文化祭といえばイメージを持ってもらいやすいと思います。

展示されているアートを鑑賞したり、それぞれのテーマキャンプや個人が、アートやゲーム、アトラクション、アクティビティ、食事やドリンク、ショー、空間などを、大人ならでは(笑)の趣向を凝らし、資金力・アイデア・スキルを駆使したハイクオリティのコンテンツにより砂漠にブラックロックシティーという街が現れる。という感じです。24h、山手線の内側2個分を超える14.5㎢という巨大な砂漠の何処かでなにかが行われているので文化祭どころではない、規模感がバグったイベントではあるのですが。

カリフォルニアのオーガニック野菜やフルーツを振る舞うキャンプ。栄養補給に最高にありがたすぎました

英語の情報を見ても具体的になんなのか、そこで私は参加者として何をしたらいいのかわかりませんでした。とりあえず来て楽しめばいいんだ!といわれればそうなんですが、何も砂漠でギブできそうなことがないし、そもそも何なのかよくわかんないな…ということで、テーマキャンプに参加して、運営やアクティビティのシフトに入ったり、会期の前後に準備と片付けを手伝うことで貢献できればと思い長めに渡米していました。

バーニングマンはセーフスペース

バーニングマンは治安いい

国際的な友人が多い私でも、バーニングマンに行ったことある人やどういうものか正確に理解している人はおらず、バーニングマン行ってくる!というと、まじ?大丈夫なの?性被害受けないようにね。ちゃんと帰ってきてね。と概ね心配され、結構日本ではネガティブイメージを持ってる人が多い印象を受けました。目立ちたいインフルエンサーやセンセーショナルなメディアのせいもあるし、レイヴイベントやクラブの治安が超悪い日本に生きてきたということや、パリピがいくものという先入観もあるかもしれないのですが、そんなことは全くありませんでした。

いつでも、様々な場所でDJが音楽を流しています。ノーギャラなのに有名なDJも来るらしくテクノ系はわからないので、とりあえずみんなについていって踊っていました

私は日本での夜遊びや開放的なイベントに行くとほぼほぼ嫌な思いをするので社会人になってからは足を運ばなくなったのですが、海外やゲイ・クィアなコミュニティー文脈でのイベントでは嫌な目に合ったことがないので、私は逆に治安良さそうだなと思っていました。しれば知るほどパリピよりも、いわゆる意識高い系(今は死語かも。汗)の比率が高そうだなと思っていたのもあります。

テクノやハウスに疲れた私はポップスを歌って踊りたくなり、ドラァグクイーンショーに駆け込みました

実際、しっかりと秩序が保たれていて、警察や救急車も常駐していて、ちゃんと組織された救護ブース、見守りのレンジャーなどの沢山のボランティアの方たちで運営が成り立っていました。ありえない規模感かつ非営利のイベントなのによく組織され運営されていることにめちゃくちゃ感動しました。日本ではあり得ない…次回参加する時は私もボランティアシフトに入る気満々です。

街灯がなくても、光るアートやアートカー、デコったみんなのチャリでとても明るい

自分のことは自分でしようという自助原則があるものの、会場内はみんなファミリーかのような安心感で満ちていました。朝まで遊んでいても嫌な目に遭うことも一切なく、治安悪いと感じたことも全くありませんでした。

そして、超インクルーシブ

何より参加者は1歳半〜足元のおぼつかないおばあちゃまおじいちゃままで本当に幅広く、平均年齢は想像より高いと感じるほどです。至る所にレインボーフラッグが掲げており、様々なセクシャリティの人たちもオープンに過ごしていました。

表現が自由すぎて、そこらじゅうに裸の人がいたりするので、その点は日本人やトラウマがある人にはショッキングだったりオフェンシブに感じてしまう人も多いかもしれません。ノーパンでキルトスカート履いてたり、サロン巻いてたりする男性も多く、よじ登ったり何かに飛び込む場面でも絶対に視界に入ってきますのでそれは覚悟しておく必要があるかなと思います(笑)

コミュニティーに貢献する姿勢への学び

日本ではあまり馴染みのないコミュニティー

日本社会ではあまり使うことがなく、海外でのボランティアや紛争解決、社会企業の文脈でしか多用してこなかった「コミュニティー」というワードを久しぶりにめちゃ見て聞いて行動する期間だったと思います。

そして、バーニングマンをバーニングマンたらしめている10の原則もバーニングマンコミュニティー内だけで取り組むべき特別なものではなく、普段の生活・コミュニティーで皆が取り組むべきことであると会期中色々なことに感動しながら強く思いました。

『どんな者をも受け入れる共同体である』(Radical Inclusion)
『与えることを喜びとする』(Gifting)
『商業主義とは決別する』(Decommodification)  
『他人の力をあてにしない』(Radical Self-reliance)  
『本来のあなたを表現する』(Radical Self-expression)  
『隣人と協力する』(Communal Effort)  
『法に従い、市民としての責任を果たす』(Civic Responsibility)  
『跡は何も残さない』(Leaving No Trace)   
『積極的に社会に参加する』(Participation)  
『「いま」を全力で生きる』(Immediacy)

wikipedia「バーニングマン」より

久しぶりに意識した「コミュニティー」への貢献

学生の頃は様々なボランティア活動をしていたものの、社会人になると仕事と休暇のことで頭がいっぱいになってしまい、社会や共同体への参画意識みたいなものをどこかに置いてきてしまった自分がいました。今年に入ってからは、仕事が落ち着いたのもあり、金も必要だが社会やコミュニティーに対して何か貢献できることはないかなという意識が戻ってきた矢先でのバーニングマン参加。

また、バーニングマンでの助け合いもそうですが、帰りのフライトで隣の席に座っていた中華系アメリカ人のホームレス支援のお話にも感化されたのもあり、帰国してから、つながりが乏しかった地元で何かできることはないかと、ホームレスの方やシングルペアレントなどの経済困難な方達の食糧・食事支援を行っているフードバンクのボランティアに参加しています。アメリカだけでなく日本でもホームレスの方が増えている現状を目の当たりにして自分は何ができるのか考えるようになりました。他にもいろいろ活動していきたいと思っています。

そして、バーニングマンの事後の参加者調査に「自分のコミュニティーにもどってからもっとボランティアをする、寄付をするなど何かコミュニティーに対しての行動変容はありましたか?」という質問があり、バーニングマンの思惑通りに導かれていることを自覚しました(笑) 優等生キャラで参ります!

バリー
バリー

直前までワクワクより具体的な概要が掴めない不安と、そもそも楽しく元気に生き抜けるのかの不安がデカすぎて、行くの辞めようかな…と弱気になっていたのが今となっては笑い話。楽しかっただけではなく、学びも多く日々の行動もかなり影響されてます….本当にみんな行ってみてほしいです。

周りからよく聞かれることや感じたことについて引き続きまとめていければと思います!

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